倒産ねぇ。
日本においても事例は腐るほどあるかと思います。
山一証券、スカイマーク(民事再生法適用)、江守グループホールディングス(民事再生法適用)、日本航空(会社更生法適用)などなど。
僕もそれに「近い」こと体験したなー。
(負債はもともとなかったから不幸中の幸いだったけど。みなさまにはご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ありませんでした。いまは精神的にも回復しているので大丈夫です。)
(金銭的な意味ではなく)高い勉強代でした。
今となっては貴重な経験です。
そんなことはさておき、先週金曜日にあるニュースが飛び込んで来ました。
それは、
「エアバックで有名なタカタが民事再生法適用へ」
というものです。
民事再生法ってよく耳にしますよね。
これも倒産の一種です。
いや、でもさ、民事再生法とか言ってもわかんないじゃん。
(この記事を書き始めた日に社長から質問を受けたけどわからなかったです。)
ってことで、このページで民事再生法をはじめ倒産の定義やメリット、デメリットなどをまとめてみたいと思います。
それにしても当事者のタカタ、この記事を書いている6/19はストップ安です…。
恐ろしや…。
倒産とは?
ここでは、「倒産」の定義をまとめます。
よく使わせてもらっているインターネット上の辞書「コトバンク」で調べてみました。
「倒産」とは、
“企業が経営資金のやりくりがつかなくなってつぶれること。企業が不渡手形などを出して銀行から取引停止を受け、営業困難に陥ること。”
(デジタル大辞泉)
だといいます。
さらに、
“企業が経営に行き詰まり,正常な営業活動の継続ができなくなった〈企業の破局〉状態をいう。具体的には,(1)決済資金の裏づけがないため不渡り(その手形,小切手を不渡手形という)を出した法人または個人企業が6ヵ月以内に2回目の不渡手形を出して銀行取引停止処分を受けることにより表面化することが多い。そのほか,(2)会社更生法の適用を申請したり破産申請をしたとき,(3)商法381条による会社整理,和議法による整理状態になったとき,(4)債権者会議を開催し内整理(これは法律によるものではない)を行ったとき,を倒産という”
(世界大百科事典第2版)
とあります。
このように、一口に「倒産」といっても、
(1)決済資金の不渡りが発生した場合(解決に入る前段階)
(2)「会社更生法」の適用を申請したり破産申請をした場合(法的手段を伴う)
(3)会社整理をおこなった場合(法的手段を伴う。「民事再生法」を使って整理する場合が多い)
(4)内整理をおこなった場合(法的手段を伴わない)
といった状況に分けられ、(2)〜(4)では法的手段を使って解決するか、法的手段を使わずに解決するかという状況に、(世界大百科事典第2版によれば)分類できるようです。
そもそもなんで倒産しちゃうのか?
倒産の原因はこちらに集約されます。
「債務超過」
です。
債務超過とは、ひとことで表せば「会社の持つ資産よりも負債のほうが多い状態」です。
「純資産がマイナスになった状態」ともいうことができます。
言葉で書いただけではわかりにくいので、債務超過の状態がもっともよく現れる、貸借対照表(B/S)を使って見てみましょうかねぇ。
まずは“正常”な貸借対照表です。
見方は「貸借対照表の読み方」に説明を譲るとして、ざっくり見てみます。
図の左側の「資産」500と、右側の「負債」400と「純資産」100の合計500が一致していることがわかります。
この状態を「バランスしている」というんだそうですが、企業が抱える負債(銀行からの借金とか)を「今このときに全部返すように迫られたとしても」、資産が負債以上にあるので、余裕で返済できちゃいます。
しかし、債務超過に陥ると、上のような“逝っちゃってる”貸借対照表になります。
「資産500 < 負債600」
ですから、今すぐに借金を返せと言われても返せません。
ここで、純資産(=株主が支出した金額、つまり会社の価値)が100ありますので、これを使って返済しますが、その前に「減資」という処理をおこないます。
「減資」とは、純資産(=株主が支出した金額)を使って負債を返済することで、具体的には株主から対価を支払うことなく株式を引き上げます。そのお金は累積損失となり、貸借対照表の上では、純資産を一旦左側にスライドさせます。
この時点で、「純資産」は△100となり、消えて無くなってしまいました。
「純資産」は株主の出資額であり、企業の価値そのものですから、この作業によって企業価値は「ゼロ」になってしまったことになります。
この状態が「倒産した」ということになります。
本来、このあと、増資によって累積損失を純資産に戻す作業をおこない、企業再建へと進むことになります。
今回はあくまで「債務超過」の状態を示したいので、説明はここで止めておきます(笑)
倒産の種類
さて、倒産の種類についてです。
「倒産と一口に言ってもいっぱい種類があるよー」ということを冒頭で書きましたが、大きく(かなりざっくりと)整理するとしたら、次の2種類に分類されます。
(1)倒産したが事業を継続する場合
(2)廃業する場合
この2つです。
倒産した場合に上記のどちらを選択するか、については、一応基準があります。
「今までやってきた事業を続けることで、会社を解散した価値よりも高い価値を生み出せるか」
というものです。
もし、会社の解散価値よりも、「将来生み出せるであろうキャッシュの方が高い場合」、事業を継続したほうが、経営者的にも、株主的にも、取引先的にも嬉しいです。
(なぜなら「その会社の商品がすばらしい」と思って取引していたわけだから。また、急にその企業が供給していた商品が手に入らなくなってしまったら、仕事にならないし、自分の生活に支障がでたりしちゃいますし。)
しかし、会社の解散価値よりも、「将来生み出せるであろうのキャッシュの方が安い場合」、“ただちに”会社を解散して資産を適正に配分したほうがよい、ということになります。
基準がわかったところで、それぞれの具体的な処置方法をみていきましょう。
(1)事業を継続する場合
会社の解散価値よりも、「将来生み出せるであろうキャッシュの方が高い場合」、こちらの選択肢を取ることになります。
その際、取ることができる手段は以下の2つです。
①会社更生法を適用する
②民事再生法を適用する
どちらも“法的手段”を取ることに変わりはありませんが、それぞれ法律を適用した際の状況が大きく異なります。
表にしてまとめてみたので、下に貼り付けておきますね。
ひとことで表せば、会社更生法は「第三者の視点で」企業再建に取り組むのに対し、民事再生法は「当事者の視点で」企業に再建に取り組むということです。
表の情報では不十分なので何点か補足を。
会社更生法を適用した場合のメリットに、「モラルハザードを完全に排除可能」とあります。
そもそも「モラルハザード」とは「倫理観の欠如」という意味ですから、この場合のメリットは「失敗した経営者が居座らないため、ヤケクソな経営や責任回避に走って周りに迷惑をかける心配がない」ということになります。
デメリットには、「当該企業の内実を知らない・連鎖倒産を引き起こす危険性」とありますが、こちらは「再建中である企業の内部事情や取引先との関係性を理解していない第三者が経営権を握るため、再建手続きによって損害を被る取引先が出てきたり、小さな取引先だと当該企業からの債務支払を先延ばしにされ、キャッシュが不足し、連鎖倒産することがある」ということになります。
民事再生法のほうは、読んで字のごとくですので、補足はしません。
(2)廃業する場合
要するに、「会社の解散価値 > 事業継続によって将来得られる価値」という状態の会社が取るべき選択肢です。
債務が免除されるというメリットは大きいですね。しかし、経営者自身に「バツ」がつくので、金融機関からの信用が「ゼロ」になっちゃいます。
また、債権者でもある取引先に対し、当該企業は債務の支払いを免除されますから、取引先は“本来もらえたはずの現金”を受け取ることができず、場合によっては連鎖倒産を引き起こす危険性もあるわけです。
手続きとしては、裁判所に対して破産申請をおこない、債権者集会を開催して(地面に頭を擦り付けながら)謝罪、債権者に対して企業の解散価値の配分をすることになります。
まとめ
以上「倒産」についてみてきました。
手段は3つですが、いずれにしろ周りに多大な迷惑がかかることは免れません(汗
このテーマを書くきっかけとなった、エアバッグのリコール問題を抱える「タカタ」は、民事再生法を適用するとのことです。
つまり、現経営者がなんとか会社を立て直すということですね。
経営者自身が抱える“ウミ”や、経営陣の間に蔓延している“ウミ”の影響を受けながらの再建となりますが、エアバッグメーカーという自動車産業を支える大切な歯車ですし、払うべきものは払って、世の中に価値提供して、健全な体質に戻していってほしいですね(と願うことしか我々にはできません)。
名古屋ではたらく私大生の株式投資日記
株式投資の紹介サイトを運営するベンチャー企業で、ライターと企業分析をしている大学生です。日々のニュースや株式投資で学んだことを“同年代の人たちに向けてわかりやすく要約”しています。
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